生活巧緻性

先日の記事でご紹介した中央線沿線私立小学校合同相談会は中止になったようです。コロナ禍では、受験する学校の情報を直接得ることさえ苦労するので、本当に大変だと思います。😓よほど学校に不満がない限り、既に上のご兄弟がどこかの私立小学校の在学生となっているご家庭では、学校を知っている安心感から、今年の場合は下のご兄弟も上のお子さんと同じ学校を選択するケースが増えるかもしれない・・・と思ったりしています。実際、息子の同級生で下に兄弟がいるお子さんは、同じ学校を本命校で受ける予定といっている子が数名はいるとか。🙄さてさて、今回は巧緻性について書きたいと思います。😃巧緻性(こうちせい)、簡単に言うと手先の器用さ全般のことを指すかと思いますが、お受験をするまで私はこの言葉すら知りませんでした。(笑)お受験で出題される巧緻性の試験の多くは、年齢が上がれば自然に出来るようになることがほとんどです。それにも関わらず、なぜわざわざ試験で、まだ未熟な5~6歳児の子にそれをさせてみるのか、私はとても不思議でした。なんでも息子が通っていたお教室の先生の話では、海外の研究で、幼児期に巧緻性に優れている子は、学ぶスキルが高い子が多いという結果が出ているのだそう。まぁ、確かに、手先は脳に繋がっているという話もよく耳にしますしね・・・。

巧緻性には、制作で必要な切る、貼る、塗るなどの技能の他に、生活巧緻性というものがあります。生活巧緻性は、例えば服のボタンを留めたり、紐を結んだり、風呂敷でものを包んだり、ハンガーに服をかけたり・・・といった日常の生活場面で必要とされるスキルです。そして、この生活巧緻性で出題されるものの多くは、経験を積み重ねていないと急に出来るようにはならないものが多いと思います。😀息子の志願校では、この生活巧緻性を好んで出す学校が多かったので、自宅ではできるだけ生活の中に取り入れて、毎日自然に練習できるように工夫をしていました。息子は保育園生活のおかげで、普段着ている服の着脱、服を畳む、決められた引き出しなどのスペースにしまうといったことはよく出来ましたが、早生まれの未熟さが多少関係していたのか、手や指先の力が必要なことが苦手でした。例えばその一つは、雑巾しぼり。干したときに、水が垂れないレベルまできつく絞られていることが求められますが、当初、息子が絞った雑巾は、干すと床にポタポタと水が滴りました。😅雑巾絞りに限らず、ペットボトルのキャップや瓶のふたの開閉など、全般的に「ねじる」ということが苦手でした。😓今は水道の蛇口もねじらないタイプが増えて、日常生活ではほとんど「ねじる」ということを経験する機会がないためか、お教室でも苦手なお子さんが多かったです。この雑巾絞りの練習には、息子の家でのお手伝いに決めていた食卓テーブル拭きの際に、厚めの布巾を使うようにして固く絞る練習を兼ねることにしました。そして、家でお茶を飲むときは、ペットボトルに入れたお茶のキャップを開閉して、コップについで飲むことにしました。朝食は、それまで毎日和食でしたが週3をパン食に変えて、ジャムの瓶を息子に開けてもらうことにしていました。😀

次に苦労したのは、腰エプロンをつけて頭巾をかぶるという課題です。(笑)特にこの腰エプロンは、後ろに手をまわして自分が見えない状況で蝶結びをしなくてはならないので、5~6歳の子にとってはかなり難易度の高いことです。頭巾をかぶって顎の下で結ぶのも(赤ずきんちゃん式の被り方です。)同様で、要は「直接見ずに、手の感覚だけで結ぶ」という作業が子供にとってはとても難しいのだと思います。頭巾は固結びで結べばよいので、練習し始めてからわりとすぐにできるようになりましたが、腰エプロンは、最後まで蝶結びが縦結び(蝶の結び目が傾いてしまう)になってしまい、受験の時は完璧な形でできるようにはなっていませんでした。😅このように、生活巧緻性の分野は、出来るようになるために日々練習することがもちろん大事ですが、ある程度できるようになってそれ以上の上達が見込めない場合はそのレベルで「妥協」して、他のできることを練習していく選択も大事だと思います。(笑)頭巾に限らず、風呂敷や布ナプキンで包む試験など、何かを結ぶ試験のときに注意しなくてはならないのは、結んだ後に、それをほどくことを想定しておくということです。頭巾や風呂敷、エプロンなどは、通常、結んだあとにほどいてもう一度、もと置いてあったように畳んで戻すということがセットで出題されることも多いので、もちろん、ゆるゆるの結び目ではダメですが、固結びをあまりきつくしてしまうと、あとでほどくときに苦労します。😓また、最初に置いてあったように戻すとの指示があったときに、もとの状態を覚えていないと戻すことができません。最初に何か机の上に用意されていて、そこから取り組むような課題の場合は、最初の状態を覚えておくことも重要です。来年度の試験までコロナ禍が続くようであれば、もしかすると巧緻性の試験は実施しにくい状況が続き、当面の間はあまり対策が必要ではないかもしれませんが、アフターコロナの受験を予定されている方もいらっしゃると思いますので、巧緻性にまつわる話は、また別記事で書いて行こうと思っています。😁