覚えてもらうには

人気のある小学校ともなると、面接では何百人もの子供に会うわけですから、その中でも、「もっと話を聞いてみたい。」と面接官が思う子と、話が弾まず、必要以上に質問されない子が出ると思っています。以前の記事で、面接であえて掘り下げて質問をしてもらいたいことについては、願書には抽象的な記載にとどめて、あえて”穴”をあけておくという方法をご提案しましたが、それ以外に、子供に何か一つでもいいので、面接官から聞かれた質問に対して、”他の子とは違う、印象づけるための何か”を付け加えて言えるようにしておくのも手だと思います。今回はその方法をご提案したいと思います。😀

例えば、「お友達とは普段、何をして遊んでいますか?」といった質問に、「●●をして遊びます。」と答えさせるだけでなく、「僕は●●がすきなので、●●をして遊びます。」というように答えるようにして、この●●の部分に、できるだけその子独自の興味や関心のあることを言えるようにしておくのです。これは、次に"その子の好きなこと"について、掘り下げた質問を面接官からしてもらえるように誘導するためです。そして、何か一つでもいいので、お子さんが興味を持っていること、興味を持っているものを探して深く掘り下げ、ある程度、そのことについて詳しく語れるように準備しておくのです。

息子の場合は、「僕は恐竜が大好きなので、保育園の友達とは恐竜を折り紙でよく折っています。」と答える練習をして、ある学校の本番でもそのように答えました。すると面接官からは、「恐竜が好きなんだ。どんな恐竜が好きなの?」、「恐竜を折り紙で折るって難しそうだけど、どうやって折っているの?」といった質問が来ました。そして息子は事前に準備していた通り(笑)、「一番好きな恐竜は、頭に鶏のようなトサカがあって、顔がかわいいコリトサウルスという恐竜です。」、「恐竜の折り方の本が保育園にあって、それを見ながらみんなで折ります。本をみてもおり方が分からないときは、先生に聞くと教えてくれますが、先生でも難しくて折れないものもあります。」というように答えました。

このように、「恐竜が好き」という情報を一つ織り込んで答えることで、もともとの「お友達とは何をして遊ぶの?」という質問から、息子が何に関心があるのかという何往復かの会話に発展させることができました。恐らくその面接官には、「折り紙で恐竜を折る子」として、息子の印象が刻まれたと思います。

例えばこの質問に、単に、「サッカーをして遊びます。」と答えたとしたら、それ以上の質問を面接官からしてもらえるでしょうか・・・?ましてや、サッカーと答える子はたくさんいるでしょうから、サッカーと答えたいならば、サッカーの遊び方に特徴を持たせるなど何か付加情報を加えて答えないと、たくさんの子供たちの中に埋もれてしまって、面接官に印象づけることは難しいと思います。

面接という限られた時間では、「その子をより多く知ってもらうこと」はとても重要で、他の大多数の受験者の中に埋もれない工夫をすることも大事だと思います。

息子は本当に折り紙はよくしていましたが、その他にも、サッカーもよくして遊んでいました。でも、面接にはあえて、折り紙と答えることにしました。男の子で折り紙が好きという意外性、”巧緻性”のある遊びをしている、そして折っているのが”恐竜”という息子独自の興味をまとめて情報として盛り込み、アピールする回答ができるからです。面接の回答を準備するときに、もちろん嘘でないことが大前提ですが、単に事実だけを回答するのではなく、”戦略的に”回答する内容をを選ぶことも大切だと思います。

もしよろしければ、面接のある学校を受ける方は、参考にして頂ければと思います。😀