本命はノンペーパー校

タイトルは”本命はノンペーパー校”ですが、息子の場合は、ノンペーパー・ペーパー校どちらが本命というわけでもありませんでした。ただ、筆記試験があるペーパー校の方が、勉強した分だけ確実に得点できる分野があるので、受験対策がしやすいと私は思っていました。

逆に、筆記試験のないノンペーパー校を第一志望としている方は、どのような対策をもってして、自信を持って試験に臨むことができるのだろう??と私は不思議に思っていました。というのも、筆記試験の問題には一つの正解がありますが、ノンペーパーの試験は、その学校が子供のどこをみて、何を重視するかによって、正解が一つではないからです。各学校が何を重視するのか事前に分かれば対策のしようもありますが、お教室で”あの学校は~を重視すると思います”といわれても、そのお教室がその学校内部に通じていない限りは、本当のところは分かりませんし、自分でその基準を知る方法もありません。

ある人気のノンペーパー校の例ですが、ある年の試験で、お友達とお花を作って壁に飾るというような試験がでました。一人の女の子が、そのお花の作り方が分からないでいると、その隣にいた男の子が一生懸命、その女の子に作り方を教えてあげたのですが、それで自分のお花を作る時間がなくなり、結局、できないまま試験を終えたそうです。でも、その男の子は合格したのだそう。

恐らくこの学校は、この男の子のことを「自分のことも顧みず、困ったお友達を助けることができる思いやりのある子」と評価したのだと思います。でも、これがもし、指示に従い遂行することを最も重視する学校なら、「"お花を作りなさい"と言われた指示が守れていない。」といった、真逆の評価を受ける可能性もゼロではありません。

私は息子には、行動観察では「まずは、人のことは気にせず、言われた指示を聞いて、自分がするべきことをしてきなさい。」と教えてましたから、この試験をもし息子が受けていたら、隣の女の子には手助けをせず、ひたすら自分のお花を完成させることに没頭していたと思います。その場合は、息子がお花を上手に完成できていたとしても、「お友達を助けずに、自分のことだけを考える冷たい子」という評価で不合格だったのでしょうか。。

このように、その事実の捉え方、重視する点が違うと、真逆の評価にもなり得ますし、また学校ごとの評価基準が見えないところが、ノン・ペーパー校の対策をする上での難しさではないかと思います。ペーパー校であれば、仮に行動観察で点が取れなくても、少なくてもペーパーができれば、その失った点のいくらかは挽回できるチャンスがあるように思います。

あとこれは、息子が受けた模試で、保護者向けの問題解説の場で聞いた話ですが、あるノンペーパー校(都内の国立小学校)の問題を取り上げたことがありました。その問題とは、「お友達が数人集まっていて、その人数分のフルーツ(みかんとリンゴだったと思います)がないとき、あなたはどうしますか?」みたいな問題です。(詳細は違うかもしれませんが、主旨はこのような問題です。)この問題に対する回答例として100点満点として紹介されていたのは、「フルーツをジューサーでジュースにして、みんなでコップに分けて飲みます。」です。。

私はこの話を聞きながら、「息子と同じ年で、ジューサーでジュースというかたちに変えて分けるという発想をその場で出来る子がいるなんてすごい!」と思わず感心してしまいました。そしてその時に、聞かれてすぐに自分の知っている知恵の中から考えをまとめて答えるという能力が、ノンペーパー校には必要となるのだなということを理解しました。教えられたことは出来るようになるけれど、それを発展させたり、その場の条件に柔軟に適応することが苦手な息子には、ノンペーパー校は難しいかな?という気になりました。😅

最近は従来ペーパー校とされてきた学校でも、行動観察など筆記試験以外の部分の比重も増えているので、このペーパー・ノンペーパーのいずれかの分類に当てはまらない学校も増えてきていると思います。試験内容だけで見ると、息子が得意とすることに一番相性が良かった学校は、W小学校でした。この学校は、ペーパー校とも言い切れないし、ノンペーパー校でもないので、いずれにも分類しにくい学校の例の一つだと思いますが、過去問をやっているとき、息子が「この学校の試験、ペーパーテストと生活系の問題が多くて、僕にぴったりじゃん!」と言い出しました。私も過去問をやりながら、同じことを考えていました。(笑)子供の得意な分野と試験内容が合う学校を見つけて、志願校に選ぶということも、受験では重要かもしれません。😀