聞いた情報を視覚化する訓練(お話の記憶)

息子が"お話の記憶"を苦手としてたことは、以前の記事にも書きましたが、ペーパーテストの他の分野は出来るようになっても、このお話の記憶だけはなかなか安定して得点できるようにならず、本当に苦労しました。😓コンスタントに8割以上取れるようになったのは、最後の最後、試験まで残り2か月を切った頃でしょうか。。。それまでは、内容によって、あるときは8割以上取れたりしたと思ったら、ときには半分も正解できなかったりとブレ幅が大きく、私もいったいどうしたら良いものかと頭を悩ませました。

そこで私は、息子がどういう問題のときなら出来て、どういう問題のときが得点率が下がるのかを分析してみることにしました。その結果、どうやら息子の場合は、お話を聞いてそのお話の季節を聞かれるとか、「全部で何匹になったでしょう?」「カメさんは何番目に来ましたか?」など知識、数(順位)などを問われる問題は良く出来ることが分かりました。一方で、「くまさんのカバンは何色でしたか?」「女の子が来ていた洋服についていた模様はどれですか?」などお話に出てきた色やかたちが問われたり、「うさぎさんと亀さんが、それぞれ遠足に持って行ったおやつは何でしたか?」など登場人物とものの組み合わせを問われるような問題ができないことが分かりました。

私は、以前、外部の模試を受けたときに、問題解説の説明で「文字情報で処理する大人とは違い、子供は、お話で聞いた情報を、紙芝居の絵のように、場面、場面の絵を思い浮かべながら聞いている。」という話を聞いたことがありました。そして私は、息子は文字の読み書きが得意だった分、大人と同じように、聞いた情報を文字情報で覚えようとしてしまっていて、”聞いた情報を頭の中で視覚化しながら記憶にとどめる”ということが出来ていないために、話を記憶できないのだと思いました。

この、”聞いたことをいったん頭の中で視覚化しながら記憶していく”ことを訓練するために、私たち親子が取り組んだ練習を今回はご紹介したいと思います。

私の自作の問題で恐縮ですが(笑)、まずは以下の問題文を読むとします。

『ある晴れた日、ウサギさん、いぬさん、くまさん、キリンさんが、近くのお山にハイキングに行きました。お山につくと、キリンさんが、「あ、ブドウだ。」といって、とっても美味しそうな緑のブドウを取りました。するとウサギさんが、「こっちにはきれいな黄色いイチョウの葉が2枚あるわ。」といってその葉っぱを拾いました。いぬさんが、「いいなあ、それ一枚ちょうだい。」とウサギさんに頼むと、ウサギさんは「いいわよ。」といっていぬさんに自分がとったイチョウの葉を一枚あげました。するとくまさんが、「あ、あの木に何かなっているよ」というので、みんなでその木のところに行ってみると、美味しそうなりんごが4個、木になっていました。1つは青く、あとの3つは赤く熟してとても美味しそうです。くまさんは、「あの赤いリンゴを全部取ってくるね。」といって木に登って取りました。そのあと、みんなで仲良くブドウとリンゴを分けて、食べました。』

この問題を聞いた後に、以下の質問をします。以下は質問例の一部ですが、問題や質問文をアレンジして、同じ回答用紙を使って違う問題で何回も練習させました。問題は、できるだけ、色や形、ものの種類など、頭の中で視覚的に想像できるものが答えになるように作っていました。

  1. キリンさんがとったものを見つけて、その色を塗りましょう。(正解:ブドウを緑に塗る)
  2. ウサギさんが、今、持っているものを見つけて、その数だけその色で、色を塗りましょう。(正解:イチョウを黄色で1枚だけ塗る)
  3. くまさんが見つけた果物に、その数だけその色で、色を塗りましょう。(正解:リンゴ1個を青、3個を赤で塗る)

回答用紙には、ネットで探して無料で利用可能な以下のイラストをダウンロードして、自宅でコピーして使いました。

※注:上記の絵は、イラストACの画像(作者: おんたまうどんさん)を利用しています。初めに、イラストACからダウンロード会員登録(無料)をしてログインすると、こちらから画像をダウンロードすることができます。登録すると、他にも色々と無料で利用できる画像がダウンロードできるので、私は家でのお話の記憶の練習に合う絵を探して、主に回答用紙に利用させていただいていました。😀なお、ご利用の際はイラストACの利用規約を遵守してご利用下さい。)

このほかに、動物の絵のイラストを回答用紙にすれば、「イチョウの葉を拾った動物に〇つけましょう。」という質問にして、動物を答えさせる問題にすることもできます。

ここで息子に教えたポイントは、「ウサギさんがイチョウの葉を拾ったという話を聞いたら、言葉で全部覚えようとするのではなく、ウサギさんが手に黄色いイチョウの葉を持っている姿を思い浮かべるようにするのよ。」ということです。そして、この「聞いた話を絵にする」ことを体感するさせるために、私が言ったことを息子が絵に描く、という練習もさせました。

例えば、「あなたは今、自分の目の前の風景を見ています。左を見ると、大きな木があり、その木にはリンゴが2つなっています。右を見ると緑の屋根のおうちが1件立っていて、その前で茶色の犬が遊んでいます。真ん中には丸い池があり、その家の周りには赤と黄色のチューリップが1輪ずつ咲いています。」という文を読んだ後に、実際にその絵を息子に描かせるという練習です。この練習は、絵の練習にもなるので一石二鳥でとてもおススメです。😁

こうした訓練に効果があったのか、息子は当初苦手だった"お話の記憶"も、だんだんコンスタントに得点できるようになっていきました。実際、息子が受けた学校で"お話の記憶"が出題されたところでは、ほとんど全部できたという手ごたえで帰ってきました。😀

あくまで息子の場合の例ではありますが、もし”お話の記憶”が苦手なお子様で、対策に行き詰っているような状況でしたら、少しでも参考にして頂ければ幸いです。😄