お受験願書、どう書く?(子供の長所・短所)
前回の記事で、"多くの学校で問われる教育方針や志望動機などについては、私はとにかく抽象的にならないように、できるだけ具体的なエピソードで書くように努めました。この点については、次回以降の別記事で具体例をご紹介したいと思います。"と書いていたので、今回は、私が実際に「子供の性格(長所、短所)」について願書に書いて出した文例をご紹介します。
息子の通っていたお教室では、先生に頼むと願書のお直しをして頂けたのですが、私は自分の言葉で書いていないことは面接で聞かれても話せないと思ったので、書き方についていくつか相談はしましたが、書いた内容については先生のチェックは受けずに提出しました。😁従って、この例が本当に良いのかどうかは分かりませんが、少なくてもこの内容を書いた学校からは合格を頂いているのと、「抽象的に書かずに、具体的に書くためのひとつのアイディア」として少しでも参考になれば幸いです。
書く手順として、まず最初は抽象的でもいいので、自分が息子の性格についてどう思っているのかを、簡潔にまとめて書いてみました。そしてまとめたのが、次の内容です。
「息子は、明るく活発、まじめな性格で、集中力がある子です。ただ、グループなど団体の輪に入ると、消極的になるところがあります。」
そして次に、私自身が、なぜ、何をもって息子のことをそう思っているのかを考えて、その根拠となる事実を思い起こしてみました。
「明るく活発、まじめ」と思う根拠
- 明るく活発→"保育園の登降園時に、周りにいるお友達みんなに自分から大きな声で挨拶している"、"保育園に迎えに行くと、サッカーなどの外遊びをして園庭を動き回っている"
- まじめ→”お片付けなどの保育園での約束ごとや、家でテレビを見てよい時間やお手伝いなど、決められたルールや約束を守ることができる”
- 集中力がある→”折り紙で恐竜を折るのに、難しい折り図でも、完成できるまで一人で何時間でも取り組んでいる”
そして上記の根拠を入れて書くと、次のようになりました。
「息子は、保育園の登降園時に自分からお友達に大きな声で挨拶をしたり、サッカーなどの外遊びで園庭で体を動かすことが大好きな、明るく活発な性格です。そして、遊んだ後のお片付けなど保育園での生活ルールや、毎日すると決めた家でのお手伝いなどの約束を守る真面目な子です。また、大好きな恐竜を折り紙で折ろうと、どんなに難しい折り図でも完成できるまで何時間でも取り組むといった集中力があります。」
色々、ツッコミどころ盛りだくさんかとは思いますが、そこはどうぞご容赦下さい。(笑)少なくても最初に書いた抽象的な文章よりは、「どういう理由でわが子をそう思っているのか」という具体例が入っているので、相手に子供の人物像が多少は伝わりやすくなっているかと思います。😀
同じような質問でも、学校によっては質問の焦点が微妙に違っていたり、記入欄の大きさに制約があったりしたので、その状況によってこの3点のどれかを削ったりして、書く内容は調整しました。例えば、息子の性格を中心に聞かれているときは、「明るく活発」や「まじめ」の方を残して、長所という点を中心に聞かれているときは、「集中力がある」という点を残したりしました。
もし欄が小さくて、「明るく活発」といった抽象的なレベルでしか書けないような場合も、このように具体的な根拠までブレークダウンした準備をしておけば、面接で「明るく活発とありますが、例えばどういうところでそう思いますか?」などの深堀りした質問が来たときにも、回答できると思います。
「短所」については、どのレベルで、どれくらい書いたらいいか悩んだので、お教室の先生に相談しました。お教室の先生の指導では、例えば長所を3つ書いたら、短所は1~2つくらいの比率であげておくと良いと言われました。つまり、長所がちょっと上回るくらいです。そして、短所を書くときの注意事項として、受け止め方によって、その短所は必ずしも本当に短所だとは言えない、というような逃げ道をつくる書き方を心がけるように言われました。
例えば、「初対面の人や初めての場所が苦手」ということを短所として書く場合、「慎重で用心深いところがあるので、初めて行く場所や人には、馴染めるまでに少し時間がかかります。」と書くと、短所と言えば短所だけれど、「でも、そういうところ、誰にでも少しはあるよね。」といったレベルに、マイナス面が薄れて表現されています。
この指導をもとに、息子の短所、「グループなど団体の輪に入ると、消極的になる」を言い換えると、次のような表現になりました。
「お友達と仲良くいたいという気持ちの強い子なので、集団の中では、周りのお友達に合わせようとするあまり、自分の希望をはっきり言えないところがあります。」
色々、ツッコミポイントはあるかと思いますが😅、私たち親子はこのような内容で受験に挑んだということで、ご紹介させて頂きました。
あと一つ、大切にしていたことは、表現は工夫しても「嘘は書かない」ことです。例えば、「自分の希望をはっきり言える子」を取りたいと思っている学校なら、この息子の短所を見たときに不合格になるかもしれませんが、その短所は息子の事実なのですから、そこを偽って合格した学校は、どのみち入学後に息子には合わない、ということになるかと思います。
このように願書を書く作業をしながら、抽象的な事実を具体的な事例に落とすあたりが特に、「なんだか、仕事に似ているなぁ。」と思いました。例えばビジネスでは、「時代の変化に、迅速かつ柔軟に対応することができます。」といった説明をすると、必ずそれを聞いた相手からは、「迅速かつ柔軟って、具体的にはどういうこと?」と聞かれるでしょう。
そう考えると、お母様がお勤めでない場合は、ビジネスに身を置いているお父様の方が、案外、良い願書が書けるかもしれません。(笑)よく、面接当日にロクに願書を読まずに行ったお父様が、お母様のこれまでの努力を台無しにして足を引っ張る・・・なんて話を耳にしますが、お父様に願書を書かせておけば、そのリスクも避けられて、一石二鳥かもしれません。
該当するご家庭でしたら、是非、ご検討されてみてはいかがでしょうか。。。😁