ありのまま
志望校ではなくても、私たち親子が志願している学校の受験日程よりも遅く、試験日が重ならない都内の学校については、お教室の先生のアドバイスもあり出願だけはしておいて、状況に応じて(要は志望校が不合格か、出来が悪い場合に)受験しようと考えていました。
このような、万が一のために出願する予定の学校についても、私は説明会だけは出来る限り行くようにしていました。
その中で、とても印象的だったのが、G小学校です。G小学校は通学時間は1時間以内という制限を設けていて、私たちの家は通学圏外でしたが、入学までに通学圏内に引っ越すということに同意して願書を出せば、試験自体は受けることができます。G小学校がある周辺地域では人気校であり、尾木ママが大絶賛の学校ということで私もたまたま以前から知っていた(笑)ので、説明会に参加してみることにしました。
その時の説明会で、学校からは、「お子様のありのままの姿を見せて頂きたいと考えていますので、試験のために何か特に準備するといったことは不要です。」というお話がありました。(詳細の表現は違うところがあるかもしれませんが、話の主旨はこういうことでした。)
それを聞いて、私は判断に迷いました。
「これは、この小学校の”建前”なの、それとも、”本音”なの・・・??」
もし建前だとしたら、正直、とても複雑な感じがしました。(笑)もし本音だとしたら、「何も準備をしなくても、当日こちらの学校の試験を受けて、合格ラインに達するくらい優秀な子を望んでいます。」ということを暗に言ってるんだろうか?と思ったりしました。😅
G小学校の試験は、確かにペーパーがないので、当日、身ひとつで試しに受けにくることはできるかもしれませんが、指示による工作や集団行動があるので、そうした経験がなく何も準備しないでこなせる子は、普通はいないと思います。少なくても息子の場合は、お教室に行かなければ、指示も聞き取れず、工作も保育園では経験がないので、こちらの試験を受けに行っても何もできずに帰ってきたと思います。
そのあとさらに、「本校の教育方針にご賛同いただけるご家庭のみ、受験して頂ければと思います。」というお話もありました。このお言葉を聞いたときに、G小学校は、この先もずっと変わらない、ブレない教育方針を引き継いで、伝統を大切にする学校だという印象を受けました。
以前も少し触れましたが、私立小学校にはそこそれぞれの特色があり、その特色と受験する側との相性というものがある気がします。説明会にいって、「ここを受験させたい!」とその場ですぐに思える学校は、恐らくその学校の特色との相性が良いと思います。
G小学校については、私は説明会のその場で、「ここを受験させたい!」とはすぐに思いませんでした。
理由としては、やはり「ありのままで」の学校側の意図が私の中で消化しきれなかったことと、私は、学校の方針に家庭が従うだけでなく、家庭と学校が協力して一緒に学校を作って行く姿勢でいる学校に行かせたいと願っていたことです。
G小学校は環境もそうですし、教育内容も担任との日記のやりとりや、オリジナル教材を使った工夫があったりして、客観的に見て、とても素敵で、魅力ある学校であることは間違いないと思います。
ただ、我が家が求めている学校像とは、ちょっと違っただけだと思います。なので、以前も書いていますが、受験前に説明会に足を運んで、その学校との相性を確認することは、とても大切だと思います。
そして私はいまだに、あの「ありのまま」の学校側の本心は何だったのかが、とても気になっています。(笑)