巧緻性を鍛えるには
「こうちせい」
お恥ずかしながら、小学校受験を始めて最初にこの文字を見たときは、
私はなんて読むのか知りませんでした。😓
簡単に言えば、手先の器用さを意味するかと思います。
小学校受験では、
巧緻性そのものを試す内容を試験項目に入れている学校もありますが、
巧緻性は、制作や絵画、行動観察など他の試験項目にも広く、ジワジワと効いてくる、
重要、かつ、一朝一夕では身につかないやっかいなスキルです。
息子の場合、保育園に行っていたおかげか、
生活面での巧緻性(ボタンのかけ外し、紐を結ぶ、何かを畳む、箱に何かを片付づける)
は初めからわりと高かったように思います。
息子ができなかったのは、他の受験科目(特に制作)にひびく、
以下のような巧緻性です。
- ハサミで切る
- のりで貼る
- 紙を折る
- 色を塗る
- 紐通し
- 紙をちぎる
ハサミとのりの使い方については、「数やって、覚えるしかない。」ので、
以前の記事にも書きましたが、登園前の10分間を使って、
小学校受験の準備を始めた最初の3か月間は、色々なものをハサミで切る、紙にのりで貼る
という練習をひたすらさせました。
練習で切らせていたのは、普通の印刷用紙、少し厚い画用紙、不織布、チラシ、です。
息子はハサミの歯をねかせて、ハサミの先の方で切るクセがあったので、
普通の紙に加えて、歯の奥を使わないと切れないような厚い紙や、
歯を紙に対して垂直にしないと切れないような不織布やつるつるした薄いチラシ
などを切らせる練習もさせました。
不織布は、最近はマスクの材料としてもよく知られるようになりましたけど、
息子の練習には、100均ショップで売られている
プレゼントなどを包むための柔らかいラッピング紙
を購入して、使っていました。
切る線は、私が紙にマジックで色々な太さの形(〇、△など)を書いて、
太い線は線の真ん中を、細い線は線を残して、線の右側を切る練習をさせました。
のりは、スティックタイプとつぼのり(手で塗るのり)の両方を日替わりで使って、
ハサミで切った形を、自由帳のノートに貼らせました。
つぼのりで試験をする学校はそんなに多くないようですが(手も汚れますし)、
つぼのりで貼る場合は、実際にのりをつける量を自分で体感しやすいので、
のりの量を考えて貼るというクセがつき、
結果的に、スティックのりでの貼り方にも良い練習になったと思います。
それでも、「かたちの端が、ペラペラしてきちんと貼れていない」
という状況がようやく解消できたのは、試験の1か月くらい前でした。
「切る」については、息子も比較的すぐにできるようになりましたが、
「貼る」という作業は、案外子供にとっては難しいのかもしれません。😅
平日の朝は、切って貼る練習だけで時間切れでしたが、
週末は、工作を練習する時間を60分別に取っていたので、その時間を使って、
「切って貼る」作業に、プラスアルファの要素を加えた練習をしました。
実際に、制作セットなどを購入して制作の練習を始めたのは7月以降で、
試験準備を始めてから最初の3か月は、とにかく基本的な巧緻性を磨くこと
に重点を置きました。
というのは、巧緻性が伴ってないと、結局作品を作らせても、
「ザツできたない」ものしかできないことが分かったからです。(苦笑)
プラスアルファの要素を加えた練習として、週末によく取り組ませていたのは、
「かたちを使った絵」です。
かたちを使った絵は、「〇や△など与えられたかたちを使って、何かの絵に仕上げる。」
という課題で、
私立小学校でも国立小学校でも良く出題される、わりとポピュラーな問題です。
うちの場合は、私が、あらかじめ白い用紙に、〇や◇などの形を書いておき、
その形に息子が好きな色を塗り、それを切って白い画用紙に貼り、
そのかたちを使って何かの絵を描く、ということをさせました。
この課題は、「切る、塗る、貼る、絵画」の4技能の練習を1つで兼ねられるので、
時短を目指す方にはお勧めです。(笑)
「紙を折る」のは、以前の記事にも書きましたが、
息子が保育園の自由遊びの時間に自主練していたので、
家ではあまり練習させませんでしたが、できるようになっていました。
「紐通し」は、幼児の知育玩具としても販売されていて、
巧緻性そのものを試す試験として、単品で出題される可能性がある問題です。
私は最初、段ボールに穴を空けて自作した板(3×3)と毛糸のくさり編みで作った紐で、
私が作った見本の通りに、息子に紐を通して作る練習をさせました。
でも、この紐通しは、息子はかなり苦戦しました。
恐らく、「表を見ながら、裏も考えて作業する」
というスキルが必要だったからかと思います。
結局、紐通しについては、途中であるレベルで妥協することにしました。
紐通しは、単品で出題されない限り、他の巧緻性の項目に比べて、
制作ではあまり必要ないと思ったからです。
息子はほぼ年長からお受験準備を始めたので、試験までの短期間で、
巧緻性全ての項目について高いレベルまで磨き上げるのは、
私は到底無理だと、わりと早い段階で気づきました。
限られた時間で本番試験に備えるためには、時には
「この分野は捨てる」
という判断も必要だと思ったので、
巧緻性に限らず、私は本番試験2か月前の時点で息子が苦手だったことには、
ある程度で見切りをつけて、それ以降は、
息子が得意なことを伸ばす、あるいは維持できることを目指しました。
最後に「紙のちぎり」ですが、
息子には、個人情報が記載された様々な郵便物を、
シュレッダー代わりとなって、たくさんちぎってもらいました。(笑)
そうして「ちぎる力」がついてから、私が描いた線のとおりに、ハサミと同じ要領で
ちぎらせる練習をさせました。
息子はわりと手指の力が強かったので、この「ちぎり」は大得意でした。
ただ、息子の受けた学校の本番試験では、出番がありませんでしたが。。。
巧緻性をある程度磨いた後、7月以降、「制作」にどのように取り組んだかについては、
別記事でご紹介したいと思います。