めんどうな問題が苦手

ペーパーテストが入学試験にある学校では、お話の記憶やしりとりなど、各学校共通で出題される分野もあれば、推理・思考の分野の問題はバリエーションが豊富な分、その学校によって、好んでよく出題する問題というものがあります。

息子が受けようと思っていた学校の一つに、この推理・思考の問題として、ジャンケン問題を度々出題している学校があったのですが、息子はこのジャンケン問題をとても嫌っていました。😅ジャンケン問題とは、「3人でジャンケンを5回します。グーで勝つと3点、チョキで勝つと2点、パーで勝つと1点もらえます。ジャンケンが終わったときに、一番、得点の高い人に〇をつけましょう」みたいな問題が読まれて、それぞれ3人が5回のジャンケンで出した手の絵を見て得点を計算し、答えをを出す問題です。

1~3までの簡単な足し算なのに、なぜか息子はなかなか正解にたどり着けません。その理由は、「置き換え」が苦手だったからです。ジャンケンの勝ち負けを見て、それを得点に置き換える、というのが本人的には混乱するようでした。グーで勝った人に3点あげたと思ったら、チョキで負けた人にもうっかり2点あげたり・・・みたいなことを繰り返して、「で、結局何聞かれてる問題だっけ?」という感じでしたので、やり方として、1回ごとに勝った人にまず〇をつけて、〇をつけた手がグーだったら3点、チョキだったら2点・・・と記入して、最後にそれぞれの人の点数を足して比較するようにと教えました。お教室の先生の指導では、基本的に回答欄以外に、配布された問題用紙などに何か(特に文字や数字など)を記入するのは避けた方がいいと言われていたので、この方法はどうかとは思いましたが、まずは回答に辿りつけなければ話にならないので😓、ジャンケン問題は仕方なくこの方法を取らせることにしていました。

このジャンケン問題に限らず、答えを選ぶまでに、複数のプロセスを踏まないと回答にたどり着けないような問題を、息子は“めんどくさい問題"と言って、とても嫌っていました。息子の話では、こういう“めんどくさい問題"「解いているうちに、何を答えればよかったか分からなくなり、迷子になってしまう。」のだそう。😅

なので、最終的な回答にたどり着くまでに、何度か"置き換え"のプロセスが必要な練習もさせました。例えば、おはじき3個とスーパー・ボール1個が同じ、スーパー・ボール1個とビー玉2個が同じ、といったような等価ルールを決めて、おはじき3個をビー玉で置き換えさせるような練習です。この場合は、おはじき3個→スーパー・ボール1個→ビー玉2個、のように、一度、間にスーパー・ボールに置き換えるプロセスを挟んだ上で、最終的に聞かれているビー玉の数にたどり着くという練習になります。

もう一つ、推理・思考の分野の問題で、息子が受けようとしていたある学校によく出ている問題で、ジャンケン問題と同じような理由で息子が苦手としていた問題があります。それは、"ブラックボックスの問題"です。ブラックボックスの問題とは、真ん中に箱(ブラックボックスの絵)があって、その箱に入れる前と入れた後の図が書いてあるものの例を見て、その箱で行われる処理のルールを理解して、「では次の図をこの箱に入れて出すとどうなりますか?箱から出て来た正しい絵を選びましょう。」と聞かれるような問題です。

息子の場合は、ブラックボックスに入れる前より1つ数が増えてたり、半分になっていたり・・・といった数を変化させている場合は、すぐにそのブラックボックスのルールに気づくことができたのですが、数以外の変化で、図の形や色、大きさなど処理の条件がいくつか重なっている場合は、形の変化には気づけても大きさには気づけないなど、1つの処理にしか目が行かないようでした。そこで、やり方として、まずは、ブラックボックスの前後の数の大小を見て、次に大きさの違い、形の違い、色の違い(白黒反転してないか)を見るように教えました。そして出題の傾向として、ブラックボックスの前後で大きさが違う場合は、他の2つの条件も重なっている可能性があるので、残りの2つの条件もよく見るように、と教えました。

図や絵の大きさ、形、色を変えるようなブラックボックスのルールに気づくための練習としては、“異図形発見”の問題を多く解かせました。“異図形発見"とは、4つ~5つくらいの選択肢の中から、一つだけ他と違う図形を選ぶ問題です。ブラックボックスの問題は、例題からルールを解読した後に、そのルールに従って正しく処理された問題の絵を選択肢から選ばなくてはならないので、ブラックボックスのルールは、できるだけ早く解読できるようにしておく必要があります。そのためには、ブラックボックスの前後の絵の違いに早く気づけることが重要だと考えて、この練習をさせていました。

この"異図形発見"の問題は、ゲーム感覚で息子は取り組めたので、その甲斐あってか、ブラックボックスの問題は、入試前までには苦手意識もなく、正解率もほぼ100%まで仕上がりました。

息子のペーパー問題に一緒に取り組む中で私が全般的に私が感じたのは、大人が思う難しい問題と、5歳児の息子にとっての難しい問題は、本当に違うんだなぁ、ということです。😅夏季講習前くらいまでは、「あの問題ができるのに、なぜこの問題はできないの???やる気なし??」と、正直、内心イライラすることもあったのですが(苦笑)、夏以降にこの事実に気づいてからは、イライラしなくなりました。😀