これからの分岐点

以前の記事でも少し触れていますが、私は息子には、自分で大学を選んで受験させたいと思っていたので、有名大学に進路がつながっている小学校かどうか、という点は、志望校を選ぶ上で重視していませんでした。

有名大学に進路がつながっている私立小学校の中でも、特に、K小学校とW小学校は、一般的には日本を代表する私立大学のツートップと認識されているせいか、この2つの大学に内部進学で進める両校は、ともに毎年、高倍率の人気校になってます。

K小学校とW小学校を第一志望とするお母様たちの動機で、お教室で耳にした最も多い志望動機は、「小学校にさえ入ってしまえば、大学受験をせずに系列大学への道が確約されるので、一般入試で大学受験して、K大学やW大学に入るよりも楽だから。」というものでした。

果たして本当に、事実はそうなのでしょうか・・・・??

例えば昨年、息子が受験した年のW小学校の倍率は男女合計で10.4倍、K小学校の倍率も男女合計で渋谷区の方が11.6倍、横浜の方が13.0倍と、非常に高倍率となっています。「小学校に入ってしまえば」といっても、入るのは相当大変です。しかも、小学校受験では、本人の実力に左右しないところで、合否に影響する可能性がある試験なだけに、子供の力だけでは合格を勝ち取ることはできません。従って、ごくごく一般的な家庭から(苦笑)これらの学校を目指す場合は、想像以上にハードルは高いと思います。

では、一般入試を受けて大学からこれらの学校を目指す場合は、本当に、小学校受験よりももっと合格するのが難しいのでしょうか。

W大学とK大学の一般入試入学率、つまり、内部進学や推薦枠などではなく、全入学者に対して、試験を受けて合格し入学している入学者の比率を調べてみたところ、ある調べでは、W大学が55.9%、K大学が56.0%となっていました。(参照元:早慶上智GMARCH一般入試入学率ランキング

学部によっても比率は異なるでしょうが、例えば全体の30%以下とかであれば、さすがに一般入試の枠が少ないという印象ですが、半分以上、枠があるのでしたら、枠だけでみれば、私個人的には、一般受験者にそんなに門が閉ざされているという訳でもないのでは?と思います。

実際の倍率も、学部によって異なりますがW大学の最も高い社会科学部で11.8倍、K大学で最も高い環境情報学部で9.4倍です。(参照元:大学受験パスナビ)大学の場合、実際の対志願者数に対する倍率と実質倍率(難易度)は比例しないことを考慮しても、もし「何学部でもよい」のであれば、小学校受験でも、大学受験でも、倍率上の合格難易度にさほど大差ないのでは?と思います。(つまり、どちらも同じくらい難しい。(笑))ただ、「本人に実力さえあれば受かりやすい。」のは、圧倒的に大学受験の方だと思います。少なくても本人の努力で、大学入試の方は確実に合格する可能性を上げることができると思います。

小学校に入学する時点で子供自身が行きたい大学の学部を決めることはほぼないと思うので、例えば親が子供に進学して欲しい学部が、系列校からの内部進学の方が一般入試で行くよりも低いハードルで用意されているような場合は、「小学校に入ってしまえば楽」というのは、確かにそれはそうかもしれません。私は、両小学校の系列校から、どの条件でどの学部に進学できるのか詳細については知らないので、「一般入試で大学から入るのも変わらないんじゃない?」と思うだけで、もしかすると、お教室でW大学やK大学の系列校を志望されていたお母様たちは、そこまで調べて知った上で「小学校に入ってしまえば楽」とおっしゃっていたのかもしれません。

息子と同じお教室のクラスで、上のお子さんがW小学校に合格されているお母様がいらっしゃいました。なんでも、小1から塾の内部進学用のコースに通われているそう。😅内部進学といっても、「誰でも、どんな成績でも」行けるわけではなく、相当勉強は厳しいとおっしゃっていました。伝統ある高偏差値の大学ですから、内部進学といっても甘いものじゃないのでしょう。

そういえば、話が少し変わりますが、私が過去に一緒に仕事をしていた先輩に、K大卒の方がいました。その先輩は、幼稚園からK大学系列に通っていたそうですが、中学受験組に馬鹿にされていると思うことがあって(注:こちらの中学全部がそうだったということではありません!あくまで、この先輩のお話です。)、高校受験で外部に出る決心をしてみごと偏差値70以上の公立高校に入学し、その後、またK大学を外部受験して戻った、という異色の経歴の方がいたのを思い出しました。(笑)

小学校から系列の中高一貫校に上がれる学校で、内部進学先の中学校のレベルが高いと小学校からの進学組と中学からの受験組との間に学力差がある、というのはよく耳にする話です。学習塾で内部進学者向けのコースが設定されているのも、内部進学組が将来、中学で受験組に遅れを取らないためにと通うお子さんも多いと、お教室の先生から聞きました。(息子が通っていたお教室は、同じ系列に学習塾があります。)

今回はなんだか話がまとまっていない感じでしたが(苦笑)、今、うちの息子は私立小学校に入学したばかりですが、大学に入学するまでに、これから中学、高校、大学と3つの出口(分岐点)があるので、息子の適正をしっかり見つつ、その分岐点を迎えたときに、その時の息子にとって最善の道が選べるよう親として情報のアンテナをしっかり張りながら、歩んで行こうと思っています。😄