ひとり親の子には来てほしくない?
お教室では、会えばお話するお母様が数名いましたが、
ほとんど話したことがなく、顔見知り程度というお母様がほとんどでした。
その中でも一人だけ、
私がすれ違う際などにご挨拶しても一度も返事を返していただけず、
無視をされ続けたお母様が一人いらっしゃいました。😅
(仮に、C子さんとしておきます。)
なにせ一度もお話をしたことがないのですから、
何か私が失礼なことをしたのかなといっても、当然そんなはずもなく、
そのような態度をされる理由が思い当たりませんでした。
でもまあ、そのお母様と親しくしないと別に困るわけでもないので(笑)、
気にしないように過ごしていました。
そんなある時、私が息子の授業が終わるのをお教室の前で待っていたところ、
たまたまそのC子さんが他のお母様と一緒にやってきました。
そして、恐らく、わざと私に聞こえるようにだと思うのですが、
こう言ったのです。
「私立小学校もよく選ばないと、
最近はシングルマザーとかの子とかも来る学校もあるらしいから。」
と。。。
お教室でどのくらいのお母様が、うちがひとり親家庭であることを知っていたかは
分かりませんが、
恐らく、何等かの機会にこのC子さんはその事実を知ったのだと思います。
すると一緒にいた他のお母様が、私のことを知ってか知らずか、こう返しました。
「そうなの?でも、シングルマザーで私立の学費払えるって何している人かしら?
普通、無理でしょ?」
C子さんの答えはこうでした。
「多分、普通の仕事ではないでしょうね。 」
その会話を聞きながら、私は、
「普通じゃない仕事って、いったい何だろう???」と考えていました。(笑)
いまだに、C子さんがその時、どのような仕事を想像していたのか、興味があります。😐
一般的にシングルマザーというと、
日本では、あまり良いイメージがないのが現実です。
経済的に苦しくて、母親が働き詰めで子供に十分手が回っていない、
みたいなことを思い浮かべる方も多いでしょう。
私も実際に自分がシングルマザーになるまでは、同じような印象を持っていました。
でも、実際は両親が揃っていても、同じような状況にある家庭もあるはずなのに、
両親揃っている家庭がデフォルトとなっている日本社会のプレッシャーは、
まだまだ相当なものです。
子供を私立小学校に行かせたいのは、
大半の親にとっては、子供により良い環境で学ばせたいというのが一番の動機だと思いますが、
中には、「ごく一部の条件の整った家庭だけが子供に行かせてあげられる」という、
親の優越感が根本の動機に根強くある方もいらっしゃいます。
C子さんはおそらく、後者のタイプだったと思います。
というのも、C子さんのお子さんはいつも周りに、誰も聞いてなくても、
「僕のパパは医者なの。」と言って回っていました。
「うちのパパは医者ですごいんだよ。」という価値観で育てられているんだと思います。
父親の職業を自慢に思うのは、それ自体は全く悪いことではないと思いますが、
この「聞かれていないのに言う」というのは、やはり、
「医者はひと様に自慢できる職業」という優越感が基本にあるのでしょう。
C子さんのようなご家庭にとっては、うちのようなひとり親家庭は、
自分たちが大切にしている優越感を感じられる世界を壊す存在なのです。
C子さんと数名のお母さまたちとの会話を聞いて初めて、
ようやくC子さんに一方的に嫌われていた理由が分かった気がしました。
C子さんに限らず、誰しも、自分が知らないことや、「普通」から外れている人を
受け入れ難いと思うのは、それこそ、普通の反応なのではないかと思います。
小学校受験は受験で終わりではなく、
当然合格後には、その小学校での学校生活が待っています。
入学試験の時点で、学校側がひとり親への理解があっても、
入学後に、その学校に来ている大多数の、両親揃った家庭の保護者が
ひとり親の私たちを受け入れてくれるとは限りません。
お教室で出会ったくらいですから、恐らくどこの学校に進学しても、
C子さんのような価値観の方は必ずいると思います。
ですから、
「私がお教室で経験したようなことが、入学後にまたあるかもしれない。」
という覚悟で過ごすようにしています。
ただ今年はコロナの影響で、息子が入学した学校では
保護者活動がまだなく、保護者同士の交流も子供の送迎以外ありません。
2学期が始まる9月以降、どのような感じか、注意深く周りの方を観察しようと思います。(笑)