ひとり親家庭であること

以前の記事で、

受験候補の学校を実際に見て回ることの大切さについて書きましたが、

私は特に運動会などの学校行事を見に行っていた際は、

「親がどのように参加している?両親揃って来ている率はどれくらい?」

といった観点でも、チェックしていました。(笑)

運動会など学校の行事で、普通は両親揃っていれば二人で見に行くような場は、

まだまだ息子の年齢が低いだけに、

どこにいっても、私以外にひとり親がいないことも多いので、

母親一人での参加はやはり目立ちます。

別に私自身は何も恥ずべきことはないので堂々としていればいいのですが、

私の性格的に、どんな理由であれ周りから見て自分が目立つ状況が好きではないため、

できるなら人より目立ちたくない、という気持ちがあります。。。

保育園の運動会さえ、最初の年は母親一人で参加したのは私一人だけだったので、

相当、目立ってしまって(笑)周りもなんとなく気をつかって頂くというか、

気まずい雰囲気がありました。

(数年たつと母子家庭であることが周りに認知されたので、気まずさはなくなりました(笑))

前の記事にも書きましたが、周りにうちが母子家庭であることが伝わるまでが、

とても過ごしにくいのです。

でも幸い、私が見て回った私立小学校の多くは

保護者は、行事の当日は忙しく学校側の運営の手伝いをする方に回っていて

見た目あまり、両親が二人そろってお客様のようにゆったり参観しているだけ

といった感じの学校がありませんでした。

私が息子の志願校を考えるときに、

「教員と保護者の皆様が一緒になって、子供たちの学校を作っていきましょう。」

という姿勢の学校を選ぶようにしていたからかもしれません。

「子供の行事には、必ず両親揃って見に来てくださいね。」というよりは、

「どちらでもいいので学校行事に来て、できることを手伝って下さいね。」

という感じかなと思う学校も多かったので、

「私が一人で学校行事に行っても、何か手伝う形で参加すれば大丈夫そう。」

と思っていました。(笑)

でも、いくらなんでもやはり、

「入学式だけは、入学早々手伝うとかもないし、両親そろって『参列する』

というかたちだろうな。そうなるとまた一人で目立つのかしら。。

と思っていたところに、このコロナ禍の状況となりました。。。

コロナの影響で、

ほとんどの私立小学校は入学式が伸びた上に、式自体も縮小開催という形になりました。

その式も、

「式は蜜にならないようできるだけ最小限の人数で。」という指示が国からもあったせいか、

息子が進学した小学校も、在校生の参列もなく、

お母さまかお父さま一人のみの参列も多くて(特に、休校になっているご兄妹や下にご兄妹がいる方)

全体的に非常に「疎」な感じの式だったので(苦笑)、

私が一人で参加しても、全く目立つ状況にはなりませんでした。。

幸か不幸か、私は目立つ状況にはなりませんでしたが、

でもやっぱり、一生懸命勉強して、やっと合格した念願の第一志望の小学校の、

伝統ある入学式に在校生に歓迎してもらいながら出席できることを

すごく楽しみにしていた息子ががっかりする姿をみて、

両親が参列する中で私一人目立つかもしれないなんてくだらないことはどうでもいいから、

たった一度のチャンスである入学式を従来通り、経験させてあげたかった

と思います。。

まあ、これはひとり親かどうかに関わらず、今年新一年生で入学されたお子さんと

親御さんの多くが、みな同じような心境だったと思います。

そして、うちがひとり親であることで、もう一つ気になっていることがあります。

それは、私立、公立問わず、今の小学校は

「母の日」、「父の日」に自分の親に手紙や似顔絵をかかせるのは普通なの?

ということです。これらのことは、

足しげく通った学校説明会やオープンスクールなどでも情報収集ができませんでした。

でも、私の時代でいえば、これは普通でした。

今、シングルマザーとして思いがけず息子を育てることになった私が振り返ってみれば、

その時代でもご両親が揃っていない子も数人はいたはずで、

学校で「当たり前」とされる前提と自分は違うのに、他の子と同じように

絵を書いたり、感謝の手紙を書かなければならないつらさを味わった子

いたのかもしれないな、と思うと胸が痛いです。。

息子が進学した小学校は、今年はコロナで、いつもある全てのイベントがなかったので、

通常はどうなのか、今年は分かりません。

でも、コロナという前代未聞の非常事態に対しても、

学校側が、子供たちと保護者に非常に配慮ある対応をしてくれている姿をみる限りでは、

当然、こうしたことにも配慮がある学校では、と期待しています。

ちなみに、保育園では、母の日も父の日もなく、なぜか、6月の最終週に

「家族に感謝する日」と題して、

園児は、自分の好きな家族の誰か(笑)のことを書いていました。

これは息子の通っていた保育園が、

ひとり親の子もいるという多様性を配慮した上でのことだったのかな、

と感謝しています。

一方、息子が通ったお教室では、父の日のある週に、面接の練習でお父さんについて

受け応えるという質問が授業で出されました。

うちが母子家庭であることを知らない先生がたまたまその日は担当していたようで、

「お父さんと何をして遊ぶか。」という質問に息子は答えなければならなかったそうです。

息子は、その時は何も答えず、沈黙してしまったそうです。。

その授業のことを聞いて、後から室長さんと先生が私にお詫びして下さいましたが、

それが悪気のない、単なる情報連携のミスだったとしても、

父親と遊んだ記憶もない息子が、なにか答えなくてはと必死に考えていたかと思うと、

やるせない気持ちになったのを覚えています。。

でも、日本社会の基本は、これまでも、この先も、恐らくずっと、

「両親がいて、子供がいる。」というのが標準的な家族、という前提だと思っています。

だからこそ、息子も私も、どんな事情であれ、その前提から外れている以上、

多少のことがあっても気にしないくらいの、強い気持ちが必要になると思っています。