行動観察
最近は、入学試験に行動観察を重視する小学校が増えています。
実際、息子が受験した学校には全て行動観察がありました。
行動観察では、その子のお友達との関わり方を見られます。
その関わり方は、
お友達の気持ちを無視して、一方的に自分がリードしすぎてもいけないし、
かといって、リードしてくれる誰かにおんぶに抱っこで甘えすぎてもいけず、
自分から積極的に参加する態度を示さないといけません。
しかも、1時間以内の限られた試験時間内に、その日はじめてあった知らないお友達の中で、
そのような振る舞いができないといけないのです。
「そんなことができる5、6歳児が世の中にいるんだろうか?」
と当初、私は思ったものです。
そして私が想定していた通り、息子はこの行動観察は大の苦手でした。
もともと、息子は性格がおとなしく、のんびりとしたマイペースで、
協調性がないわけではないのですが、
お友達を積極的に誘って遊ぶタイプでもなければ、
誘われても、自分が遊びたくない遊びはうまくかわして、
遊びたい遊びに誘われたら参加するという、
保育園生にして、すでにできあがったサラリーマンのような行動をとる子でした。(笑)
息子は、お教室の行動観察の授業でも同じ様子だったようで、先生からは、
「〇〇くん(息子のこと)は、おだやかな性格で人に譲ることができるので、
試験当日も、男の子同士の喧嘩やもめ事に巻き込まれる心配はないでしょう。
ただ、自分のできないことややったことがないことには消極的で、
あまりみんなの輪に入らないので、協調性がないと取られてしまう可能性があります。
自分が苦手なことでも、何か自分のできることがないか探して動くこと、
あと、お友達に同意するだけでなく、一言、二言でも自分から発言するように
頑張れるといいと思います。」と言われていました。
行動観察は、その子の「地」の部分がでますから、
私は息子に、あまり息子の「地」と違う行動を求めすぎても、
それを試験で実行するのは、到底無理だと思いました。
そこで、私は息子と、行動観察の時に取るべき行動のお約束を決めて、
お教室や模試の行動観察では、そのお約束だけは必ず実行するように頑張るということにしました。
そのお約束とは、以下の2つです。
- リーダーになろうとしなくていいから、リーダーになった子の周りで2つ以上のお手伝いをしてくること。
- なんでもいいから2回以上発言してくること。たとえばうなづくだけでなく、「それいいね。そうしよう。」など言葉を追加するだけでもOK。
一見、なんてことのないようにみえますが、
息子は人見知りというほどではないのですが、とても用心深い性格で、
初対面のお友達に話しかけたり、一緒に何かをすることがとても苦手だったので、
息子にとっては、このお約束を必ず実行してくることは、
そうやさしいことではありませんでした。
恐らく、どの小学校も、リーダー気質で社交的な子ばかりを取りたいわけではないでしょうから、
私は、息子の気質や性格なりでできることを、無理のない範囲で、
とにかく「お友達の輪に入って参加する」ことができれば、及第点は頂けると考えました。
そもそも、行動観察は、
「それがうまくできる子を取る」ために行う試験というよりは、
「来て欲しくない子をふるい落とす」ための試験ではないかと、
私は思っていました。
もちろん、そこでリーダーシップをとって積極的に動き、
試験管の目を引けば、合格にプラスに働くことはあるでしょうが、
私は息子には、「ふるい落とされないレベル」で頑張らせることにしました。
お教室の授業や模試の行動観察が終わるたび、
私は上の2つの約束が守れたかを、息子に自己申告させました。
2つとも守れたら、「お寿司を食べに行く。」、
1つだけできたら、「普段食べられない珍しいフルーツを一つだけ買う」、
など、自己申告の内容に応じて、ちょっとした「ご褒美」を用意しました。
ご褒美でつって子供に何かをさせることに批判的なご意見もあるかと思いますが、
私は、これまでやったこともない試験勉強や、苦手なことばかりに取り組む息子に、
多少の楽しみがあっても良いのでは?と思いました。🙂
ちなみに、これは私の個人的な印象ですが、
行動観察は、同年代とのコミュニケーションに慣れている分、
ご兄妹がいるお子さんの方が有利かもしれません。
あと、これは息子が言っていた話ですが、
「全般的に女の子の方が話も上手で、何でもできるから、行動観察では
できるだけ出来そうな女の子を素早く探し、その子の隣で
”ぼくも何かするよ。何したらいいかな?”
と言えば、自分が手伝えることをいろいろ指示してくれて、参加しやすかった。」
そうです。
共学を受ける場合で、息子のようにリーダータイプではないお子様の場合、
是非、参考にされてはいかがでしょうか。。。😉